小説家の妻が溺愛している夫をネタにしてるのがバレまして…
バツが悪い顔をした僕に気付いたのか、詩乃ちゃんは眉をひそめている。

毎度のことながら僕は割と察しが良い。

詩乃ちゃんがしたいことはわかっているし、それを僕はさせたくない。


「…私が好き放題していい日だもん…」


いちいち話し方は可愛くて、ぷくっと膨らませた頬も愛おしい。


「………言うこときいて」


女王様みたいな彼女も嫌じゃない、なんて思うから、僕はかなり詩乃ちゃんに毒されている。


「わかったよ…」


お望み通り、ズボンのファスナーを下ろし、下着姿なのもなんか恥ずかしいから全部脱いだ。


「…っ……初めてまじまじと見たかも」

「…そんな観察するな…。」

「へへ〜」


側から見たら変態認定確実な妻だけれど、嬉しそうな表情を浮かべているから止めるなんて選択肢は毛頭ない。


「していい…?」

「うん」


おそるおそる、という言葉がとても似つかわしい手つきで僕のソレを握ってくる。


「ん…痛いんだけど…」

「ごめっ…触り方とかわからなくて…」


不慣れなことに興奮した。
僕以外の男の人を知らない詩乃ちゃんを調教したい、とも思う。
けど、ここですぐにやり方を教えるのは面白くない。


「…詩乃ちゃんの好き放題にするんだもんね。………気持ちよくして?」

「……うぅ…」


言葉にならない声を出して、試行錯誤するように眉間にシワを寄せている。

そうそう、その表情。


(悔しそうにムスッとしてる顔。本当に可愛い。)


僕の性癖…いや、性格がかなり変だから、詩乃ちゃんを困らせてばっかり。


「…郁人くん……どうやったら気持ち良い…?」


不安そうに覗く姿も、


「わかんない…」


しゅん、って落ち込んだ表情も、


「……本当…詩乃ちゃんって可愛いよね」


たまらない。


「………優しく握って…」

「こう…?」

「うん。上下にシゴいて。横に逸らさないで…ひたすら上下…」

「……こう…?」


押し寄せてくる快楽に頭がおかしくなりそう。


「………いただきます…」


という言葉とともに、詩乃ちゃんは僕のものを口に含んだ。
こうなることは察していたから今更驚かなかったけど、これまた難しそうな顔してやるから面白くなって笑ってしまった。


「下手…」

「初めてなんだもん…」


うん。知ってる。
今まで何がなんでもやらせてこなかったし。


「……たまに…本当に気が向いたら…」

「?」

「……やらせてあげる。」

「っ…うん…」


嬉しそうに頷いた詩乃ちゃんは再びパクッと口に咥えた。


「歯…当たると痛い。」

「ん…ごめん…」

「根本は手で触って…。先の方は口…。」

「んん…」


ヌルヌルした感覚に溺れそうだった。


そして時間が経ち…。


「〜〜っ…」


久々ということもあってすぐにイってしまった。


「はぁ…はぁ…ッ…ティッシュに出して…」

「……もう飲んだ…」


詩乃ちゃんの口内の甘いカクテルの味が、僕の体液の味に変わる。それがとてつもなく嫌で、飲ませたことへの罪悪感が襲ってきたことは言うまでもない。




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