あの丘でもう一度。
この街の人たちは誰もはっきり言わないけど、

朱音さんは多分亡くなってると思う。

私の直感がそう言ってる。

世界には似た人間が3人いるって言うし、

この街に私が引っ越してきたことで朱音さんの魂が少しだけ私に入っちゃったのかな?とか色々考えた。

そして、ふと思った。

もしかして生まれ変わりだったりして、、?

前世の記憶がこの街にきたことで少しだけ取り戻せたのかもしれない。

もし仮に、そうだとしたなら、わたしにできることって何なんだろう。

分からなくなって、大学生のお兄さん達に相談した。

お兄さん達は、生まれ変わりなんていう突拍子もない話をきちんときいてくれたうえで、あると思うよって言ってくれた。

でも、私は私なんだから、とも言ってくれてたな。

その後、5時の鐘が鳴って、私はなにか大事な約束を忘れている気がした。

はるか昔、幼稚園ぐらいだった頃の私が必死に何かを訴えかけるの。

正確には私じゃない私。私にそっくりだけど、彼女は私じゃないってそう感じた。幼稚園ぐらいの彼女が私に何かを訴える。

大事な約束…なんだっけ……。



思い出せないまま気付けば眠っていた。
< 8 / 9 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop