君がいたから

「じゃあ、何かあったらすぐ呼んで
飛んでいくから 」

「うん、ありがとう
お仕事頑張ってね 」


寂しいっていう気持ちを堪えて
蓮が出ていくまでニコニコ手を振る。


最初からワガママ言わないで、
自分さえ我慢してしまえば、うまくいくんだから。


だけど仕切られた空間にひとりぼっちになると
悲しくて涙があふれてくるきて布団に潜り込む。


こんなとこ嫌だ。副作用怖い。
蓮に抱きつけなくて寂しい。

そんな感情を出すのも、今だけ。



夕方蓮が来るときには、洗面台の水道で顔を洗って何事もなかったようにする。


そして、その日は1日副作用がこなかった。

もしかしたらこの前までは弱音なんて吐いてばかりいたから、そんなもんに体まで負けてしまったのかもしれない。

病は気からって言うし。


周りの人を困らせない上に副作用にも強くなれるなら
弱音なんて吐かない方がずっと良いと思った。


でも、確実にストレスを貯めていることは自分でもわかっていた…





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