君がいたから

「………ごめん、目覚してくれて安心した
結愛は1週間半も眠っていたんだよ 」


「えっ…本当? 」


蓮が指すカレンダーを見ると…
年も越していて1月になっていた。

こんなに眠っていたのかと思うと少し怖い。

生きていて本当に良かったなんて
改めて感じた。


「じゃあ、抗がん剤もあと3日だけなの? 」


「………そうだよ 」


あと3日頑張れば、この部屋から出られるんだね。


苦しい時間が短くなったのは
嬉しいけど、たくさん蓮に心配かけたから謝らないと…



「…蓮、ごめんなさい。

あのときは何もかも投げやりになったけど
今はこうして生きてて嬉しいとか感じるし、

きっと病気も良くなっていくって、前向きにとらえるようにするから、もうそんな顔しないで 」


蓮の目を真っ直見る。



「結愛………謝らないでな。
あと3日頑張ろう 」


いつもより口数も少なくて
切なそうに笑う蓮…

だけど、深い意味は無くて疲れてしまっているだけ
きっと………そうだよね ?


「…うん ありがとう
蓮、今は私も副作用大丈夫そうだから休んで 」

「ごめん…そうする。
だけど、ここには結愛のそばにはいさせて 」

「………うん 」


いっしょにいたい、それは私も同じだから
そう答えるしかなかった。





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