君がいたから


「結愛、貧血だよな。まだクラクラする? 」


「少し…でも、蓮がギューしていて
くれれば、治るかも 」


蓮の温もりはそのくらい安心するし、
私の1番の薬だよ。


「結愛………愛してる 」


「…蓮………私もだよ 」


蓮の両手が背中に回ってくる…

いつもふんわりと包みこむように抱きしめてくれる蓮…

だけど、今日は強くギューッとされて、
離してくれない。





力入りすぎて痛いよ…
でも嫌なんて全く思わない。


むしろ蓮のことがたまらなく愛おしくなってきて、


私も両手を蓮の背中に回してギューッと抱きしめ返す。


「結愛… 俺、このまま…離れたくない ………」


私の耳が変なのかな ?

微かにだけど蓮の声が震えている
そんな気がした。


どうしたの…?なにかあった?
そう聞こうとしたけど


直感で聞いたら、

この幸せな時間が壊れてしまうんじゃないかという、

怖さがあって何もせずにただ抱きしめられたまま…でいた。








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