君がいたから

次の日



強烈な吐き気で目が覚めた。

視界が揺れてもう一度目を瞑りたいくらいだったけど

このままだとベットに吐いてしまいそうだったからバケツを取る。


「ゥ………オエ…ケボッ………ゴホッ 」


酸っぱくて不快な味がする。


「結愛、吐き気きちゃったか…
よしよし、苦しいな 」

すぐそばにいてくれたみたいで
安心する声をかけてくれる蓮…


少しマシになったと思い口を閉じた。
けどその、5秒後には耐えられないほどの
吐き気がきて…戻してしまう


「ウッ…オエ……ケボッ…ケボッ…ケボッ 」


弱音ひとつ言う間もないくらいの間隔で襲ってくる…

もう出るものなんて何もないはずなのに…


「…結愛、吐き気止め追加したけどまだキツイよな… 」


吐き気止め入っててこれって嘘でしょ。

自分の顔なんて見えないけど
真っ青になっていく感覚がした。


「…ケボッ…れ…ん ウッ…オエ 」


ビニール越しに見えた蓮のところに
力をふりしぼっていこうとする。



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