君がいたから

「結愛、薬塗るから入るね 」


蓮は白衣を脱いで消毒をしてから

ビニールの扉を開いた。



「口開けて 。痛いけど大丈夫だからね 」


痛いのに何を根拠に大丈夫なのか、

全くわからないけど早く蓮に甘えたいから口を開く。


するとすぐに変な棒みたいなもの
が入ってきて舌に当てられる。


「痛っ…グスン…ヒック 」


「結愛、口閉じない。あと少しだから 」


ヒリヒリしてめちゃくちゃ染みるから思わず口を閉じようとしてしまった。


「いやー 痛いー 」


蓮に口を閉じられないように抑えられ痛くて絶叫…


終わるとすぐに膝に乗せてくれて、
後ろからギュッと抱きしめられた。



「染みるけど叫びすぎ 」


「だって…痛いの嫌いだもん… 」


「ハハ 子どもみたいでかわいいな 」


「蓮、ひどい。いじわる 」


久しぶりの温もりで、うっとりしていたのに…
だけどやっぱり安心する。


昨日眠れないから眠くなってきちゃった。


「…ふあぁ〜 」


あくびまでして目も半分開かない。

「おやすみ 」


蓮のその声を最後に深い眠りにつく。
次、強烈な痛みで目を覚ますということも知らずに…


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