君がいたから

「いたた… 」

眉間にシワを寄せて痛みに耐える。

さっきまでなかった痛さという感覚…


もしかして生きている?
期待を膨らまして目を見開いた。

でも、そこには信じられないようなものか゛
あって呆然とする。


「これ 私…だよね……… 」


見えたものはベッドの上で点滴や心電図などのものがたくさん取り付けられている自分の姿…
意識を失う前よりも腕はさらに細くなっている。

もう知らない間に移植終わったんだよね?
拒絶反応によるものなのか肌の色も普通じゃない。


そして、そんな私の手を握っている蓮…
見守っているお父さんとお母さん…


「うっ………ヒック 」

自分の姿なのにあんまりにも衝撃的で涙がとまらない。

きっとあんまりにも危ない状態だから幽体離脱しているんだよね。


「なんで…こんなことに………」

ありえないようなものを見ているけどたしかに今見ているのは自分で、唇がブルブル震えてきた。






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