君がいたから

「じゃあ、少しリラックスしてみようか
退院したら、やりたいこと想像して 」

蓮は腕を軽く擦りながら、笑顔を向けてくる。

やりたいことはたくさんありすぎる。

蓮とデートしたい。 桜が満開になるまでには外に出られるようになって蓮と写真撮りたいな…

それにお父さんとお母さんにありがとうって言って何かプレゼントもしてあげたいし

あと香帆や美月とたくさんおしゃべりして、早く学校にも行きたい。

もうすぐくる楽しい未来を想像して、期待を膨らませる。


「じゃあ…ごめんね… 」


腕に少し痛みを感じた。


「…痛いって 注射したでしょ 」


「したけど、結愛泣かないで頑張れたじゃん
これからは毎日結愛の気を引く話考えないとな 」


これじゃあ、幼稚園の子とお医者さんの会話みたいだけど、

蓮が私に負担をかけないようにしてくれるのが
嬉しくて自然に笑みが溢れる。




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