君がいたから

外に出るとキラキラ光る太陽、
空気も澄んでいて、周りの木を見ると桜のつぼみも開きかけていた。


冬の冷たい空気は残っていて、ブルっ…と
身体は震えてしまうけど、もう春なんだよね。


「やったー やっと出られたよ 」


久しぶりの外の景色に浮かれて、スキップしてみた。
だけどすぐに蓮に手を掴まれて止められてしまう。


「結愛、ストップ。
まだちょっと寒いだろ
体が冷えると大変だから、ほらこれ 」


蓮の上着を着させられる。

大きくてかなりブカブカだけど、蓮に包まれたときの温もりや匂いを感じる。


「蓮、ありがとう 」


「どういたしまして。
結愛は一人で歩かせていると転びそうだから手繋ごう 」


「転ばないもん… 」


反論はしておくけど蓮に手を握られるのは
好きだから
蓮のほうに手を伸ばす。

すると手にじんわりと温かみが伝わってきた。


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