君がいたから


「…蓮、ごめんね… 」


少し冷静になってみると
本当に幼稚なことをしたと思う。
やつあたりばっかりして…


「叩いちゃって
蓮は何も悪くないのに………」


「そんなことくらいで謝らないで
大好きな人に叩かれるくらい俺は全然平気。
むしろ結愛がこんなに気持ちをぶつけてくれるのは俺だけだから、嬉しいな 」


包容力のある蓮のこと、ますます好きになっちゃう。


「…ありがとう………大好き 」


蓮の温もりを求めて、飛びついて

今度は自分から蓮の背中に腕をまわす。



「俺のほうが結愛大好きだから…」


「私のほうが好きだよ 」


「いや、俺だから 」


さっきと違って子どもみたいに言い返す蓮


「ふふっ 」

「人の顔見て笑うな 」

「だって、むきになる蓮可愛いんだもん」

「お仕置きするよ。その可愛い口に 」



さっきまで気分はどん底だったのに
こんな言い合いするくらい元気が出るなんて
蓮の存在は魔法みたいだね。




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