君がいたから

「はい、終わり。
あと、かぶれているところ薬塗るから 」




いい感じに痒さ忘れてたのに………


「も、もう大丈夫だよ 」


「ダメっ 放って置いたらまた痒くなって
辛いから。それに薬痛くないから安心して」

痛くないという言葉を聞くと安堵する。


「結愛は治療のことになると小学生みたいだな 。ほら薬塗ってあげるから服脱ぐ」


それを言われると反論できない。

でも、服脱ぐって………


もたもたしているといたずらっぽく笑う蓮。


「あっ、脱がしてほしいのか 」

「違うもん 」


恥ずかしさでいっぱいになったけど、
どうしてもやるみたいだから、仕方なく服を脱いで薬を塗ってもらった。


よくよく見ると薬がぬられているところ
すごいことになっている………

たった数時間の点滴でところどころ、皮向けているし…

これからもっと副作用が出ると思うと不安だよ…




「………蓮 ギューして 」


「…いいよ。 でも、そんな格好で言うなんて
襲うかもよ 」


上半身は下着だけの私…

それでも急に不安になってしまって
抱きしめてもらう。


「副作用………心配だよな
少しでも楽になれるように、できることなら
サポートするから 」


「…ありがとう 」


こうやって蓮に包まれると
その時だけは本当に怖くなくなる。

大好きな人の力ってすごいなぁと思いながら、蓮の胸にそのまま顔を埋めた。







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