直球すぎです、成瀬くん

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「わあ……さすが男子、燃えてるねえ…!」

「うん…!」



今日最後の授業、体育。

気温は27度、快晴。


日差しが強い上にこの時間なので疲れていてもおかしくないのに、主に男子を中心に、熱気のこもった練習が繰り広げられている。


この前のロングホームルームで種目決めをした時に、本気で優勝を狙うと宣言した男子たち。

中でも、1番の得点源であるクラス対抗選抜リレーに特に力を入れている。クラス全員分のタイムを計測し、その中でトップ4人が選抜リレーのメンバーとして選ばれていて、今まさに、私と百叶の視線の先でその練習が行われている。


そしてその4人のうちの1人が、成瀬くんだった。



「…成瀬くん、去年も選抜リレー出てたらしいよね」

「…っえ…そうだったの…?」

「うん…」


驚く私に、百叶も苦笑いした。


去年も同じクラスだったのに…何で知らなかったんだろう………と思ったけれど、去年の今頃の私と成瀬くんの関係性を思い出したら、何も不思議なことはなかった。

借り物競走に出ていたことはものすごくよく覚えているけど…




私と百叶は、今年も去年同様100m走に出ることに。

今はリレーの練習でグラウンドを使っているので、その間は日陰に入って、選抜リレーの練習の様子を見ている。



「…ねえ、成瀬くんて部活とか入ってたっけ…?」


ふと、隣の百叶が首を傾げた。


「…いや…入ってないと思う…」


成瀬くんのこと、そこまで多く知っているわけではないけれど、確か部活には入っていないはず…


私が答えると、百叶は「じゃあ成瀬くんすごいんだね」とこぼした。


「だって、こういうのに選ばれるのって大抵、陸上部とか野球部とかサッカー部とか…じゃない?」


……確かに…

実際、選抜リレーに選ばれた成瀬くん以外の3人は、それぞれ、野球部、サッカー部、陸上部だ。


「その中で成瀬くんが入るって、相当速いんだろうね〜」




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