直球すぎです、成瀬くん
「本当、何ともなくてよかったね、無事に体育祭出れて…!」
「うん…!」
あのあと成瀬くんが先生を呼んできてくれて診てもらったら、念のため病院で診てもらって、と言われたので診察を受けに行ったら、しばらく安静にしていれば治るとのこと。
言う通りに安静に、体育祭の練習はあまりできなかったけれど、無事に体育祭当日は参加することができた。
ただ、100m走の結果は思わしくなかったけれど………
午前の部があっという間に終わりお昼休憩。
百叶とお弁当を食べながら話していたら、そろそろ午後の部が始まる時間に。
「選抜リレー、どのクラスも何か去年より気合い入ってるみたいだね」
体育祭最大の目玉とも言える選抜リレーに特に力を入れているうちのクラスは、今日が始まってからずっとそわそわしていた。
午後の部の最後にあるそれに向けて、選抜メンバーを中心に士気を高めているうちのクラス。
……ただし、そのメンバーの1人である成瀬くんは、至っていつも通り、感情の読み取れない涼しい表情のままだったけれど…
午後の部の競技も盛り上がりを見せる中、少しずつ選抜リレーの時間が近づいてきた。
選抜メンバーは少しずつストレッチを始めたりしているけれど、さっきから成瀬くんの姿が見当たらない。
……出番近づいてきてるけど…どこにいるんだろう…
「…あ、百叶、私ちょっとお手洗い行ってくるね…」
「うん、わかった、いってらっしゃい」
今競技をしている人たちには申し訳ないけれど、こんなにクラスが熱量を持って挑もうとしている選抜リレーが近づいてきたかと思うと、私は出るわけじゃないのに緊張してきてしまった。
それに、もし成瀬くんが、始まる時間に戻って来なかったら…………