直球すぎです、成瀬くん
成瀬くんはそう言うと、自嘲するように続けた。
「西内たちと違って、俺にはどう思われるとか考えなくていいから気楽なんだろうけど」
ふっと笑うと、成瀬くんはスマホで時間を確認する。
「そろそろ昼休み終わるな…」
……どう思われるか考えなくていいから気楽………?
成瀬くんの言葉に少し引っかかる。
前の私に比べて少しずつではあるけれど、成瀬くんの前では、自分の言葉で色々なことを言えるようになってきた気がしている。
けれどそれは、成瀬くんにはどう思われてもいいとか、そういう投げやりな理由じゃなくて、もっと…………
「……相手が、成瀬くんだからじゃないです……いや、相手が成瀬くんだからなんだけど…」
上手く言えない。
成瀬くんだからどうでもいいとかじゃなくて、成瀬くんだからこそ………
「えっと………成瀬くんが、私が言いやすいように接してくれるから………だから、少しずつ、色々なことを言えるようになった、というか……」
頭の中をフル回転させて、たくさん選びながら、何とか言葉を繋げたけれど…
………つ、伝わらないよね、こんなのじゃ………
「戻ろうぜ」
立ち上がった成瀬くんはそう言うと、物置を出て行った。
一瞬見えたその表情が、ほんの少し柔らかく見えたのは………気のせいかな…
……ほんの少しでもいい、私が今少しずつ変われてきているのは、成瀬くんがいるからだよと、伝わったら………