直球すぎです、成瀬くん

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「こっちカッター貸して〜」

「ガムテ足りない〜〜」

「ちょっ、オマエ!ペンキはねた!」

「ねえ買い出し組まだ戻ってこないの〜?」



夏休みは明け、教室は準備期間に入り慌ただしく賑やかになった。



今年も、文化祭が近づいてきた。


私たちのクラスは、大きめの教室を丸ごと巨大迷路にすることになり、コース設定や材料をどうするか、話し合いを重ね、先日からようやく作業に取りかかった。


今は主に、材料を切ったりペンキを塗ったりしてコースを作る組と、必要なものや足りなくなったものを買いに行く組に分かれて作業している。


私は、百叶と一緒にダンボールをひたすらカッターで切る作業をしている。


こういう黙々と作業するのは好きだから、どれくらい時間が経っているかなんて気にせず、ひたすら手を動かし続けた。




「あ、百叶、柚〜!こっちのダンボールお願いしていい?」

「あ、うん、わかった」


ふと、隣の百叶が顔を上げて返事をしたので、私も慌てて立ち上がった。


「…っ」

「っえ、柚!?」


立ち上がった瞬間、視界がぐらりと歪んだ。


何とかピントが合った時には、百叶が私の肩を支えながら心配そうに私の顔を覗き込んでいた。



「あ……ご、ごめん…」

「大丈夫…?」

「うん、大丈夫…ちょっと立ちくらみしただけ…」


気づけば周りには、百叶と同じように心配そうに私の様子を見に来たクラスメイトたちが集まってきていた。


……変な心配かけちゃだめだ…


私は努めて平気な顔をしたけれど、


「でもちょっと顔色悪いよ…」


百叶には、気づかれてしまった。



頭は少しボーッとする……けど、作業できないほどじゃない…うん、まだやれる、私……




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