直球すぎです、成瀬くん
「柚ちゃんたちそろそろ修学旅行じゃない?」
並んで歩き始めてすぐ、先輩がタイムリーな話題を振ってくれた。
「あ、はい…!」
「いいねー、どこ行くの?」
「京都です」
「京都かーいいね」
「先輩は去年どこに行ったんですか?」
「俺は北海道だったよ」
海鮮にラーメンに美味しいものがたくさんだったと教えてくれた。
「自由時間ってどこ行くか決めたの?」
「伏見稲荷とか、金閣寺とかです」
「京都といえばだね」
いいなあ、と先輩は笑った。
「…先輩は、もう受験勉強大変なんですよね…」
「まあねー、高3は部活引退したらみんなそうなるよ」
「行きたい大学とかもう決めてるんですか?」
そう聞くと、先輩は精悍な顔つきで頷いた。
「うん、バレー強いチームに入りたいから、そういう大学に絞ってるよ」
「大学でもバレー続けるんですね…!」
「何だかんだで中学からずっと続けてるからね、むしろバレー以外の選択肢ないっていうか」
……そうだったんだ、中学生の頃からずっと…
ふと、隣の先輩を見上げる。
確かに、この長身はバレーに活かさないともったいない気がするし、それに先輩、チームを引っ張っていってたし……
年明けに百叶と見に行ったバレーの試合は、今でも鮮明に思い出せる。
「…朝井先輩、本当に背高いですよね、何センチなんですか…?」
ふと気になったので尋ねると、先輩は少し驚いた顔をした。あれ、唐突すぎた………?
「確か、187くらいだったかな」
「ええ…っ、さ、さすがバレー選手ですね…!」
「けど俺そこまで高い方じゃないよ、もっと大きい人はいるし」
先輩よりも大きな人………想像できそうだったけど、何だか現実味がなかった。