直球すぎです、成瀬くん
「柚ちゃんは?何センチ?」
「え、私ですか……?私は…確か、156センチとかそれくらいだった気がします…」
自信はないけれど、確かそれくらいだったはず……という数字を何とか思い出して答えた。
「へえ〜可愛い、俺と30センチ違うんだね」
「あっ、かっ…、そうですね…!」
〝可愛い〟
突然先輩から放たれたその単語に全く免疫のない私は、思わず動揺してしまう。
「……柚ちゃん、何か変わったね」
「……え……?」
またもや先輩が唐突にそんなことを言うので思わず顔を見ると、なぜか少し寂しそうな、けれどほっとしたような表情を浮かべていた。
「…そ、そうですか……?」
「うん、変わったよ。初めて会った時は…まああの時は特殊ケースだったから仕方なかったけど、それを抜きにしても何ていうか……怖がっていたというか、縮こまってたというか…」
当時の私のイメージを思い出すように、先輩はゆっくりと言葉を並べた。
「でも今の柚ちゃんは、前よりずっと明るくなった気がするよ、何だか雰囲気も変わったし。それに柚ちゃんの方から話題を振ってくれたりとか、なかったじゃん。ほら、さっき初めて俺に質問してくれた」
「あ…」
…言われてみれば、確かにそうだった。
今までの私は、人に嫌われることを怖がって、合わせることばかり考えてた。
けれどこの前、初めてあの3人に自分の行きたいところが言えたし、今先輩にも、ごく自然な会話の流れで自分から話題を出せていた。
私がこうして少しずつ変われてきているのは、間違いなく……
「そう見えているなら、嬉しいです…!」
ほんの少し、認めてもらえたような気がして、私の世界が少し明るくなったような気がした。