直球すぎです、成瀬くん




慌てて教室を出て行った百叶の後ろ姿を目で追って、しんとした教室の空気に耐えかねて、私は口を開いた。


「…そ、そういえばクラスのみんな、帰るの早いんですね…!」

「うん、部活勢ばっかりだから放課後なったらすぐこんなんだよ」


成瀬くん以外の男子と2人きりの空間は全然慣れていなくて、変な緊張感に包まれる。

幸いにも、宮城くんが明るくてフレンドリーな人だから、何とか話せているものの…


「…そ、そういえば、宮城くん、部活とか、入ってないんですか…?」

「うん。部活やったら俺、今以上にモテちゃうからやんないの」


………こ、これは、どういう反応するのが正解………?



「…お、『どういう反応が正解だ?』ってカオしてる」

「え……」


いたずらっ子のように笑う。


「いや〜ゆずゆず変わったね!前はあんまり表情から感情読み取れなかったけど、今、割とわかりやすい」

「え…」

「前のミステリアスゆずゆずも可愛かったけど、今の素直なゆずゆずはもっと可愛いね!」

「え………えっと、いや、あの…」


反応に困っていると、すかさず宮城くんが言い放った。


「ここは素直にありがとう、でいいんだよ」

「……あ、ありがとう…?」

「うん」


それでよし!と満足げに笑う宮城くんにつられて、私の頬も少し緩んだ。



「…私、誰かの誕生日をこんな風に祝うことが今までなかったから、すごく楽しみです…!」

「あいつ、まともにクラスのやつと喋んねーでいるみたいだからさ、誕生日くらいは安心感あるメンツでパーっと祝ってやろうかなと思って。ゆずゆずいたらあいつちょーーー喜ぶし!」

「え……そうですか……?」


…私といて喜んでいる成瀬くんを、一度も見たことがない……



「……え、そうだよ?まさか自覚ないの?」

「え……な、ないです…」

「…そっか〜あいつそういうの本人には絶対悟られたくないタイプっぽいもんな〜〜必死で隠してんだろうね。ま、俺にはバレバレだけど」

「え…」


うんうんと納得したように頷く宮城くんに、私は終始首を傾げっぱなしだった。



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