直球すぎです、成瀬くん
「じゃあ、みんな気をつけて!」
「…ありがとな、色々」
「そう思うなら、俺への当たりもう少し優しくしてくれてもいーんだぜ」
「……考えとくわ」
「そこは素直に『うん』でいーだろ!」
パシン、と背中を叩かれた成瀬くんは「痛てぇ」と言いながらも、その表情は何だか楽しそうだった。
時間も遅くなってきたので、今夜ここに泊まるという宮城くんに見送られながらドアを開けると、真っ白な綿雪がふわふわと舞っていた。
「うわー雪だ!初雪!待って俺も外出る!」
さっきまで少し眠そうだった宮城くんは、雪を見るなり嬉しそうにダウンジャケットを取りに戻った。
「すげー!」
そして誰よりも早く、足跡をつけに飛び出した。
「…ガキかよ」
その様子を隣で見ていた成瀬くんは、口調とは裏腹に、口元は僅かに緩んでいた。
「ももちゃん!暗いし駅まで送るよ!」
そう言って百叶に駆け寄る。
「え…あ、ありがとう」
「じゃ、2人も気をつけて」
「ま、またね…!」
宮城くんに続いて手を振った百叶に手を振り返すと、成瀬くんが呆れたように笑った。
「あいつ、俺ら3人とも同じ駅向かうってこと忘れてんのな」
「……あ……」
言われて思い出した、そうだった……!
「どうせ駅着いたらまた会うのにな。あの様子だと、西内さんも同じこと考えてただろうな、気まずそうに手振ってた」
さっきの百叶を思い出す。言われてみれば、確かにそんなような顔をしていたような……
「…まあいいか…あいつのご厚意に甘えるか」
「……?」
「クリスマスだし」
「……え…」
どこかで聞いたような言い回しをした成瀬くんは、左手を差し出した。
「……え、と…?」
「手、繋ぎたい」
「っ、」
あまりにも真っ直ぐに目を見てストレートに言われたので、私はどう反応することもできず、その場で固まってしまう。
「…ったく、ほら、帰んぞ」
「あっ」
そんな私の手を取ると、駅に向かってゆっくりと歩き始めた。