直球すぎです、成瀬くん
「……んだよそれ」
「え…」
少しの沈黙のあと、成瀬くんは私の肩を解放する。
そのままふいっと向こうを向いてしまった。
「……成瀬くん……?」
顔を覗き込もうとしたら、「見んじゃねー」と手で制されてしまった。
………心なしか、耳が赤い気がする…………
それに気づいたら、何だかものすごく嬉しくなった。
「成瀬くん、どこに向かってるんですか?」
それ以降ずっと黙ってしまった成瀬くんに、話題を変えつつそろそろ教えてほしいな、と思いながら尋ねる。
「……リベンジ」
「……リベンジ…?」
返ってきた言葉に、私は首を傾げた。
「リベンジっつーか、前はめちゃくちゃ寒かったからな、これくらいの時期ならちょうどいいと思って」
「…?」
「柚が初めて、自分が行きたいって言った場所」
その言葉に、私は記憶をあちこちから引っ張り出す。
「……あ!ジェラート…!」
「正解」
嬉しい…!覚えててくれたんだ……!
どうしよう、また顔が………
「……あれ、でも成瀬くん、甘いの苦手ですよね…?」
あの時は、まさか成瀬くんが甘いものが苦手と知らずにジェラート屋さんを挙げてしまった、しかも11月の全然シーズンじゃない時期に………
今思い出しても恥ずかしいし申し訳ない気持ちになる……
「…それが、柚と一緒にいたらそうでもなくなってきた気がすんだよ」
「え…」
甘党とまではいかねーけど、と笑うと、不意に視線を私に移した。
「……で、ずっと思ってたけどいつまで敬語使うの」
「……え…?」
「先輩後輩でもねーのに、付き合ってんのに、全然敬語抜けないじゃん」
「…あ……」
…つい癖というか、当初から成瀬くんにはずっと敬語だったから、何の違和感もなく今日まで話してた……