17時、カフェオレ。
***
「…あの、急にどうしてここに…?」
「だって優奈ちゃん
本当は好きなのに、遠慮してるから:
「え?」
「さっき、日曜日は混むからって遠慮したでしょ?
本当は好きなのに」
「…だって、私の都合で混んでる日になるのは申し訳なくて…」
「そんな遠慮しなくていいの。
好きなら素直に言えばいいの」
先輩は優しい顔をして、そういった。
好きなら、素直に…なんて
好きだから、素直になれないのにね。
「…ってのは建前で
本当はお詫びのつもり」
「…え?」
「俺いつの間にか優奈ちゃん追い詰めてたのかなって。
さっき、泣きそうな顔してたから」
「…いえ、そんなことないですよ」
「ほらまた嘘つく。
素直に生きなって」
「だって先輩はなにも悪くないじゃないですか」
「でも、優奈ちゃんが悪いわけでもないよね。
優奈ちゃんが悪いわけじゃないのに嘘つかせるようにした俺が悪いの」
…ねぇ、先輩
どうして先輩は私にそこまで優しくするの?
私なんて、ただの後輩なのに…
その優しさに、たまに勘違いしそうになるじゃん…
「ね、どれが好きなの?」
そういってメニューを開く先輩を見つめて
”あなたが好きですよ”
と、心の中でつぶやいた。
……どうせ、その心が開かないなら
「先輩、これが好きです」
わざと先輩の手を持って
先輩の指でメニューを指す。
「えっ…」
そういって少し戸惑う先輩を見て、私は嬉しくなった。
あざといなんてわかってるよ。
でも、少しでも可愛いって思ってもらいたいんだもん