17時、カフェオレ。



「結構です。1人で帰れます」

「だから危ないって」

「…だから、先輩には関係ないです」


懲りずにそう言うと、先輩は深いため息を吐いた。


「…ごめん
関係ないは言いすぎたよ。
優奈ちゃんの言うことが図星で、つい…
その通りだから、なにも言い返すことができなくて
本当、俺情けなさすぎだよね。

…関係ないなんて思ってないから。
大事な後輩が、なにかに巻き込まれたら俺絶対後悔するから。

ね、だから一緒に帰ろう?」

「……いやです」



…大事な後輩、か。
後輩ってなんなの。私はそれ以上になれないの?
そんな立場、私にはいらないよ…


「…なら、俺話しかけないから
後ろからついていくだけだから

…それでも嫌?」

「いやです」


どうせ、先輩の特別にはなれない。
どうせ、ただの後輩でしかない。

だったらもう、そんな優しさいらないよ


「…じゃあ、将人呼ぶよ。
それならいい?」


伊藤先輩か…それなら全然問題ない、と思って
私は首を縦に振った。


< 147 / 186 >

この作品をシェア

pagetop