17時、カフェオレ。



次の日、返ってきたテストを持って、私はお店へと急いだ。
ま、急いだところで先輩がくるのは17時なんだけど…

気持ちがもう先輩に会いたくて仕方なかった。


「こんにちは!」

「こんにちは」


え…?


いつもは聞こえない声に、私の顔は一気に綻んだ。


「あ、先輩はやいですね」

「うん、俺も気になっちゃって。
どうだった?テスト返却日」

「ジャーン!」


まだ16時前だから、私は制服のまま帰ってきたテストを先輩に見せた。


「おぉ、数学82点じゃん!
ちゃんとできてるじゃん」

「はい!埋まらなかったところありましたけど…
先輩から教わったところは全部正解でした!」

「お、すごいじゃん
えらいえらい」


先輩はそう言って、私の頭をぐりぐりとした。


「ちょ、先輩…っ!」

「はは、悪い」

「もうー…」


なんて、言うけど
初めて触れられた頭は、もう沸騰寸前だよ…っ!!


「じゃあ、マスターがいなくなったらお祝いね」


髪の毛を直す私に、先輩は近づいてそんなことをこそっと言った。


…だから、心臓がもたないってば!!



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