Blessing Flower〜君のために〜
「パパ〜!おやすみなさい!」

「おやすみ〜」

俺がコーヒーを飲みながら残っている仕事を片付けていると、可愛い娘の美咲がうさぎのぬいぐるみを片手に俺に挨拶をしに来た。もう夜の九時前だ。もう美咲は寝ないとな。

「美咲、おやすみ」

「ママと赤ちゃんもおやすみなさい!」

美咲は愛梨に挨拶をして寝室に入っていった。それを見届けてから愛梨が俺の前に置かれた椅子に座る。そのお腹は大きい。妊娠六ヶ月だからだ。

結婚して七年。こんなにも幸せな日々があるのは、きっと幼なじみで歌手の美海が俺たちの結婚式で歌ってくれたからだろうな。あの時の歌詞がいつまで経っても俺の中で生きている。

「そういえばあなた。このニュース知ってる?」

談笑していた愛梨がスマホを見せる。芸能人たちに関するニュースだった。

「えっ、これって……」

そこに載っていたのは、美海が結婚するという記事。相手は数々のドラマなどに出演するイケメン俳優だ。
< 1 / 8 >

この作品をシェア

pagetop