きみに想いを、右手に絵筆を
「前のと構図も変えて、今俺が思う白河を描いたんだ」

「え……」

「お陰で完徹だけどな」

 言いながらしょぼしょぼと目を細めると、白河はぷっと吹き出した。

「そう言われれば、和奏先輩。クマが出来てるね?」

 彼女はクスクスと肩を揺らして笑う。

 そういう白河こそ、目が赤いじゃねーか。

 やっぱり泣いてたのかな……?

 彼女の事が気になり、俺は率直に目が赤い理由を聞いてみた。

「和奏先輩に、嫌われたと思って……」

 白河は俯き、素直にそうもらした。

 何を言ってるんだ、この子は。

 そんな事は、あの青いネコ型ロボットが現実に現れるぐらい有り得ない。

 俺は腕組みしたままでチラリと視線を投げた。

「そんはわけないだろ。むしろ昨日ので俺は、白河が好きだって気付いたんだから」

「え……」

「久しぶりだよね? ゆりちゃん」

 意地悪くニッと笑い、白河の顔を覗き込む。

 彼女は目を丸くした後、俺の視線から逃げるように顔を背けた。

 相変わらず分かりやすい反応をするやつだ。

 頬を真っ赤に染めていながらも、髪に触り、キョロキョロと丸い瞳を泳がせている。

 照れながらも、どうしようと言いたげな動揺が見て取れた。

「俺は白河が好きだよ。白河は?」

 追い討ちをかけるように告白を重ねると、彼女は俯き、か細い声で呟いた。

「私も……。和奏先輩が好きです」


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