黙って俺を好きになれ
弱々しい私の抵抗を撥ねのけてベッドに沈め。「お前しかいない」と楔を打ち込んでいく。

切なげに名前を呼んで。口で、指で。ぜんぶを塞ごうとする。

ひたすら与えて。理性を奪い続ける。

「も・・・っ、や、・・・ぉね、が・・・ッ」


振り払えない。
置いていけない。

誰も来ない放課後の図書室で。
ただ時間が過ぎるのを待つように独り。
窓際のテーブルに突っ伏してたあなたの背中を。
いつも。
いつか。
包んであげたかった。

『私は味方です』・・・って。
声にして言いたかった。

今も孤独が埋められずにいるのなら。
それであなたが笑えるなら。
私は。

・・・・・・私は。



「お前を愛してる・・・」



訊きたくて。いちばん聴きたくなかった言葉に指先の力が(ほど)けていく。少しずつ堕ちていく。

オネガイ。
ダレカ。

止メテ、・・・私ヲ。




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