黙って俺を好きになれ
冷やかしじゃ申し訳ないので、荷物にならない程度のチョコ菓子とスナック菓子を買い、前方にそれらしい集団が見えないのをホッとしながらパンプスの爪先を踏み出した。と、同じくらいのタイミングだった。

「おい」

ほぼ真後ろで低い声が聞こえ、防衛本能で咄嗟に振り返った。・・・振り返ってしまった。これがもし通り魔だったら手遅れだ。なんて考える間もなく。

「今日はなんだ?ああ忘年会か?」

三つ揃いを着こなし、上に黒いコートを羽織ったその姿はものすごく迫力があって。普通だったら震え上がって声も出そうにないところ。でも。違う意味で私は声を忘れていた。だってまさかまた会うなんて・・・!

「どうした?」

ただ呆けたように見上げていたんだろう。怪訝そうに彼が眉をひそめる。

「・・・あの、ビックリして」

ようやくそれだけを言うと、人が悪そうに口角が上がった。

「お前がコンビニに入ってくのが見えたんでな。俺もこれから野暮用だが通り道だ、送ってやる」
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