黙って俺を好きになれ
通話を切ってから一時間半ちょっとで、相変わらずボーイッシュなパンツスタイルの梨花が玄関に立っていた。

「取りあえず適当に買ってきたよ」

手にはトートバッグとコンビニのレジ袋が二つ。カクテル系のアルコール飲料からお菓子、おつまみになりそうなお惣菜まで。

「ありがとう。狭いけど上がって梨花」

「お邪魔するね」

筒井君と同じように中を見回した彼女は、「シンプルでトーコらしい部屋だね」とやっぱり筒井君と似た感想を言って。

まだ温かいチキンナゲットやパックのポテトサラダ、スナック菓子やチョコ菓子もお皿に移し替えてローテーブルの上に並べる。

「トーコとの女子会に乾杯」

二人で缶を合わせた。

わざわざここまで来てくれた梨花の気持ちが本当に嬉しかった。もったいないくらい頼もしいお姉さん。鼻の奥がつんとしたのを誤魔化したくて、照れたように笑った。
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