こじらせ社長のお気に入り
社長室に入ると、ソファーに座るように促された。ここは思ったより広くて、正面には木製の大きな机が置かれている。その横には、もう一つ簡易な机があり、数台のパソコンが置かれていた。社長自ら作業することもあるんだろうか。
衝立の向こうには、簡易のキッチンや冷蔵庫が完備されているようだ。
「笹川さん。不安そうな顔をされていますが、大丈夫ですか?」
副社長が、冷淡そうなイメージとは真逆で、私を気遣うように声をかけてくれる。
「あの……秘書の仕事は自信がなくて……資格は思いつきで取っただけで、実践となると……」
真っ直ぐ私の目を見つめて話を聞いてくれる副社長は、やっぱり見た目とは違う人柄なのだろう。まあ、こんな不安を打ち明けたって、配属を変えてくれるわけではないだろうけれど……
「てっきり、総務か経理の方で採用されたと思っていたので……」
「社長の強い希望もあって、笹川さんに秘書をお願いすることにしました。大丈夫です。うちは大企業ってわけでもないので、構える必要はありません。社長のスケジュールの管理と、書類の作成がメインになります。当分の間、私が指導を担当します」
衝立の向こうには、簡易のキッチンや冷蔵庫が完備されているようだ。
「笹川さん。不安そうな顔をされていますが、大丈夫ですか?」
副社長が、冷淡そうなイメージとは真逆で、私を気遣うように声をかけてくれる。
「あの……秘書の仕事は自信がなくて……資格は思いつきで取っただけで、実践となると……」
真っ直ぐ私の目を見つめて話を聞いてくれる副社長は、やっぱり見た目とは違う人柄なのだろう。まあ、こんな不安を打ち明けたって、配属を変えてくれるわけではないだろうけれど……
「てっきり、総務か経理の方で採用されたと思っていたので……」
「社長の強い希望もあって、笹川さんに秘書をお願いすることにしました。大丈夫です。うちは大企業ってわけでもないので、構える必要はありません。社長のスケジュールの管理と、書類の作成がメインになります。当分の間、私が指導を担当します」