こじらせ社長のお気に入り
ーバーベキュー当日ー


女性陣を中心に、食材の準備を進めていく。男性陣は、心得のある人は準備を進め、そうでない人は子守を担当することになっている。
その中には、2匹のゴールデンレトリーバーもいて、子ども達の良い遊び相手になっていた。


「瑞樹さんの親戚の、滝本陽菜です。よろしくお願いします」

数十分前、副社長に紹介されたその女性は、小柄でとにかく可愛い人だった。


「要君、私、向こうで手伝ってくるから、ケイ君とカイ君のことお願いね」

「ああ。なにかあったら呼べよ」

そっと交わされた会話に、思わず反応してしまう。
なるほど。颯太君が羨ましがった君呼びはこれか。2人は見るからに仲良し夫婦で、呼び方だけじゃなくて、その雰囲気が私も羨ましいと思った。

< 214 / 223 >

この作品をシェア

pagetop