こじらせ社長のお気に入り
「ただいま」
「おじゃまします」
玄関を入った時、真っ先に迎えてくれるのは葵ちゃんではなく、ゴールデンレトリーバーのカイだ。瑞樹が首を撫でてやれば、はちきれんばかりに尻尾を振っている。俺にもそれなりに愛想を振りまいてくれるが、もちろん、主人には敵わない。
少し遅れて、葵ちゃんもやってくる。
「お疲れさま。颯太もいらっしゃい」
「おじゃします。手土産なくて、ごめん」
「ああ、いい、いい。そういうのいらないから。いる時は、銘柄を指定して強要するわ」
これが葵ちゃんだ。
「葵、体調は大丈夫か?」
「変わりないわよ。もう退屈なぐらい」
妊娠がわかって以来、仕事を辞めて専業主婦になった葵ちゃんは、突然自由な時間ができてしまって、暇を持て余しているらしい。おかげで、俺への声かけが増えている気がする……が、相手は妊婦だ。全てに応じているわけではない。
「おじゃまします」
玄関を入った時、真っ先に迎えてくれるのは葵ちゃんではなく、ゴールデンレトリーバーのカイだ。瑞樹が首を撫でてやれば、はちきれんばかりに尻尾を振っている。俺にもそれなりに愛想を振りまいてくれるが、もちろん、主人には敵わない。
少し遅れて、葵ちゃんもやってくる。
「お疲れさま。颯太もいらっしゃい」
「おじゃします。手土産なくて、ごめん」
「ああ、いい、いい。そういうのいらないから。いる時は、銘柄を指定して強要するわ」
これが葵ちゃんだ。
「葵、体調は大丈夫か?」
「変わりないわよ。もう退屈なぐらい」
妊娠がわかって以来、仕事を辞めて専業主婦になった葵ちゃんは、突然自由な時間ができてしまって、暇を持て余しているらしい。おかげで、俺への声かけが増えている気がする……が、相手は妊婦だ。全てに応じているわけではない。