継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です
 村のみんなはエイミはもう死んだものと思っていた。残虐公爵になぶり殺されているものだと。
 ゾーイの言う奇特な男が他にも存在していて、エイミがちゃっかり幸せになっているなどとは、誰も想像していなかった。

 事情を聞いて、エイミがもう村にはいないことを知ったゾーイは怒り狂った。

「なんで、俺の許可なく、俺の嫁を、残虐公爵のところになんて行かせたんだよっ」
「えぇ、だって、エイミと結婚したいなんて、これまで一度だって言ったことなかったじゃないか」
「言わなくたって、普通わかるだろ~」

 ゾーイは涙目だ。玉の輿に乗った叔母によく似た、整った顔立ちをしているのだが、ちっともかっこよくないのが不思議だ。

「わからないよ」
「普通わからないよな」

 みんなが口々に言う。

「お前らはもういい! 親父に言って、取り戻してもらうから」

 そう捨て台詞をはいて、ゾーイは父親に泣きつきに行ってしまった。
 これまで、望むことは両親がなんでも叶えてくれたから、今回もそうなると信じて疑っていないのだろう。

「けど、いくら村長でも相手は領主様だろ」
「ていうか、エイミに行けと言ったのは村長よね」
「そもそも、死んだ人間は生き返らないぞ」

 






< 129 / 243 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop