必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
「……望むならって、私、そんなこと、ひとっことも言ってないんですけど!!」

 エイミ自身も驚くほどに大きな声が出た。怒りで肩がワナワナと震えている。

「ジーク様! 私、ゾーイと一緒に帰りたいなんて、言いましたか? いつ、どこで、言いました?」

 エイミのすさまじい剣幕に、ジークはオロオロするばかりだ。

「私の望みを勝手に決めないでください!」

 ジークに怒鳴りつけたあと、エイミはゾーイを振り返る。ゾーイもジークと同様にオロオロと視線を彷徨わせた。

「ゾーイも! なにを思いついたのか知らないけど、自分勝手に話を進めないで。私は自分の意志でジーク様と結婚して、ここにいるの!」

 エイミは叫んだ。

「すっごい、すっごい幸せなんだから。邪魔しないでよ~」
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