継母がこんなに幸せでいいのでしょうか!?村一番の嫌われ者だったのに、三つ子たちとコワモテ公爵に溺愛されて困惑中です
手を繋いでどこかにお出かけなんて初めてのことで、リーズのドキドキは止まらなかった。

「わぁ~。賑やか! 楽しそう!」

 訪れたのは小さな街だが交易のさかんなところで、珍しい店や品がたくさん並んでいる。

「あっ、見て! アル、あのスカーフ可愛くない?」

 リーズは早速、異国風の服飾品の並べられた露店に飛びついた。アルの手を離しそちらに走りだそうとすると、アルにぐいっと腰を引かれてしまった。ぎゅっと背中から抱き締められるような形で、アルに耳元で囁かれる。


 柔らかく響く声色に思わず背筋がぞくりとする。

「人が多いからはぐれるぞ。おとなしくエスコートされてろ」
「えっ……あっ……はい」

 リーズは頬を赤らめ、うつむいた。その様子を見たアルがにやりと扇情的な笑みを浮かべる。

「なに? ドキっとした?」
「し、してない。してないけど……」
「けど?」
「なんか、近くない? いつものアルじゃないっていうか……」

 手を繋ぐのはもちろんのこと、そもそもの距離感が今日はやけに近い。それに昼間だというのに、彼の表情も声もなんだかやけに色っぽいのだ。

(う~ん。アルが変わったんじゃなくて、私が変なのかな?)
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