必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
 エイミの頭は、完全にパニック状態だ。ジークは挙動不審に陥ってる彼女に声をかけた。

「エイミ、大丈夫か? 落ち着いて……」

 肩にかけられたジークの手を、エイミは力強く振り払ってしまう。

「ぎゃあ! えっと、その、大丈夫です。全然、大丈夫~。あはは、はは」

 エイミは不気味な笑顔と不自然な動きで、ジークから離れていく。

(うわ~ん。いま、ジーク様の顔は絶対に見れない! 恥ずかしくて、死ぬ。絶対に死ぬ!)

 ジークは振り払われてしまった手を、複雑な気持ちで見つめていた。

 とにもかくにも、結婚式までの半月の間、エイミは公爵夫人の心得&夜のお作法をゾフィー婆やとキャロルから指南してもらうことになったのだった。


 
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