必殺スキル<子守り>だけで公爵夫人になっちゃいましたが、ほのぼの新婚ライフは幸せいっぱいです
 エイミは尊敬の眼差しで、キャロルを見た。

「子供がいるんですか?」
「ええ、そうよ。四年前に結婚して、二人の子を産んだの。下の娘が、ここの三つ子と同じ年よ」

 キャロルはこの国の女性としては、ごくごく平均的な人生を歩んでいると言える。が、エイミにとってはその『普通』がとんでもなく立派なものに思えた。

「自分の子供かぁ……」

 エイミには未知の世界だ。

「あら、そんな他人事みたいに! エイミちゃんだって、来年くらいには母親になってるかも知れないわよ」
「へ?」
「ほら、お婆ちゃんてば、そこに関してはすっごいやる気出してるし。あ、お婆ちゃんじゃ情報が古すぎるかしら。私でよければ、いつでも相談に乗るからね!」

 キャロルは無邪気に笑いかけてくる。

(こ、子供? この私に? 誰の? って、ジーク様しかいないか! いや、でも、ジーク様と私が?)

 
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