時の止まった世界で君は

宏樹side

昼休み

午前中の外来勤務が終わり、その足で昼ご飯を買ってからなつの部屋へ向かう。

今日なつは、午前中に治療があったと聞いている。

10時頃にやると言っていたので、もしかしたらまだ止血のために横になって安静にしているかもな。

凹んでないといいななんて思いながら病室に入った。

「なーつ、やっほー」

「…あ、ひろくん」

なつは、ベッドに横になりながらつまらなそうにテレビを見ていた。

首だけをこちらに向け小さく手を振る。

「お昼ご飯、一緒に食べてもいい?」

「うん。いいよ。」

台詞はいつも通り、元気な頃のなつと変わりないものの、やっぱり少しだけ元気がない。

でも指摘したら余計気にしてしまう気がして、あえて何も言わずにそっとしておくことにした。

買ってきた飲み物とサンドイッチを机に置かせてもらい、廊下に届いていたなつのお昼ご飯も持ってくる。

今日のお昼ご飯は魚の定食らしい。

食べやすいように切り分けられた焼き魚が美味しそうだ。

「今日は魚だってー。美味しそうだよ。」

そう言いつつ、テーブルにご飯の乗ったトレーを置いてテーブルの位置を調整する。
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