愛は惜しみなく与う⑥
扉を開けた瞬間
目の飛び込んできたのは、見たことが無いはずなのに、サトルだと分かる人物


そして


「朔、危ない!!!」


泉は俺を突き飛ばした。


「「泉!!」」


目の前で泉が倒れた

扉の脇から人が出てきて、その手には何かのスプレー


俺を突き飛ばした泉は、そのスプレーをもろに喰らった


「おい、悪い!泉、大丈夫か?」


我に帰って泉に駆け寄るが…
泉は地面に膝をつき顔を押さえる
泉のこんな姿、見たことが無い

やばい、どうしよう


自分の腕の皮膚もジンジン痛む

なんだこれ


「催涙スプレーです」


志木さんは服の袖で目を覆う。そして泉を守るようにサトルとの間に入った。

しゃがみ込み苦しそうな声を漏らす泉



スプレーをかけてきた男は

新が倒した



「メガネ…してたんで私は大丈夫です」

よかった

部屋をぐるりと見渡せば、もうサトル以外の姿は見えない。
ただ、泉が…

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