透明な世界で、ただひとつ。


いつからか、この世界で変わらないものを探していた。

今、まだ見つからないその答えを強く強く望んでいる。



「お母さんには先生から伝えてくれる?」

「瑞希ちゃんがそうしたいならそうするけど、僕は自分から言う方がいいと思うよ。」

「ううん、いいの。私からは言えないから。」



それから今後のことの説明を受けて家に帰った。

母に伝えてもらうのは私が梅鶴荘に行っている日にした。



今もバイトとして雇ってもらえていて、扶養の関係でずっと家にいることができないことが辛かった。

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