透明な世界で、ただひとつ。
私が、私たちが生きる上で視覚って言うのは本当に大事で、どうにしたって変えられないもの。
今だって眼鏡をかけてもかなりぼやけるようになってきて、裸眼だったらそれこそ色の判別ぐらいしかできない。
それでも見えている。
これが見えなくなったら?
見えないって、何が見えるんだろう。
世界をどんな風に捉えることになるんだろう。
突然くっきりした失明への道はその先に何が広がるかもわからない。
暗闇か、真っ白か。はたまた違う何かか。
明けない夜はないっていうけれど、逆をいえば沈まない太陽もない。
いつだって気付けば夜になっている。
見えないって怖い。
でも“見える”ことの方がもっと怖い。
希望にも、カウントダウンにもなるから。