Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜


 ずっと過去を言えずにいた私と同じ。過去を話すことでより現実味が増してしまうのも、過去を話すことでどう思われてしまうのかも、どれも考えると不安と恐怖でいっぱいになる。

 まだ、エセ自身が受け止めきれていない過去。

「隼人、大丈夫よ。」

 飲み物を取ってきたおばさんがエセに声をかける。エセは目を合わせず、だけど、確かにその言葉に頷いた。

 エセのおばさんが席に着く。

 しかし、エセは話せずにいた。俯いたまま。

 するとおばさんが口を開いた。

「私と、この人はね、隼人の肉親の姉夫婦なの。前にこれは言ったよね?」

「はい。」

「私の妹…この子の母親は去年他界したの。自殺だったわ。」

「えっ…。」

 思わずエセの顔を見る。エセの頬には涙が伝っていた。

 爪が食い込むほどに強く握られた拳は震えていて、悲しみだけではない強い感情があることを思わせた。

「俺が…、俺が…、守れなかったから…。俺の、せい。」

 エセの呼吸が荒くなっていくのがわかった。私もなんども経験したから分かる。過呼吸だ。

 私はカバンに常備してある紙袋を取り出し、エセの口元に当てる。おばさんとおじさんも席を立ち、エセに寄り添う。

 たった一年。
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