Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜
10.それぞれの夢
「かーちゃんと、もりやまんってともだちだったのか!?」
驚いたように目を丸くするアツシくんとシュンくん。そしてそんな二人をニコニコと優しい笑顔で見つめる美鈴。
というか、もりやまんって美鈴のことだよね。相変わらず、エセも含め終火のメンバーはネーミングセンスが皆無に等しい。
エセの過去を聞いてから、二週間が経っていた。
放課後の音楽室。たまたま私と美鈴がそこにいると、終火のメンバーも入ってきて、今に至る。
あれから私とエセは各々心療内科のある病院に通うようになった。
精神面からくる体の不調や、不安定な心を、ちゃんとしたお医者さんの力を借りて治療していくことになった。
と言っても、まだお互いやっと初診に行けただけだから、始まったばかりなのだけど。
自分一人でなんとかできると自分を過信せず、ちゃんと向き合っていくと心に決め、過ごしてる。
エセの許可を取って、美鈴には大まかにだけど、事情を話した。
「ところで、隼人とかーちゃんは付き合ってんの?」
アツシくんのその言葉に空気が固まる。
アツシくんは美鈴がエセのこと好きだって知らないのか。
というか、そもそも私はエセに好きだと伝えたけど、結局その言葉に対する答えは未だ返ってきていない。
「おい、アツシ、空気読めよ。」
そうアツシくんに告げるシュンくん。いや、その言葉自体も割と空気読めていないような気も…。