Everlasting Love〜きみに捧げる永遠の愛の歌〜

 アツシくんとシュンくんはなぜかそんな私たちを見て、あっかんべーってしている。隼人は少し呆れたように笑っている。

 ピロン。

 四人のスマホが一斉になる。

 メール?

 四人で顔を見合わせてから各々スマホを開く。学校からの一斉送信だった。

『学内オーディション開催決定』

 そうタイトルが付けられたメールを読む。そこには学内オーディションの詳細が記されていた。

 七月末学内オーディションを開催。本校で行われる一次審査に通ると、音葉の姉妹校である東京の学校にて、レコード会社関係者を招いた二次審査への参加権をもらえるというものだった。つまり、デビューを狙う生徒にとってこれ以上ない大きなチャンスだった。

 ソロでもバンドでも一次審査の参加権は平等に課せられる。

「終火は参加するぜ。かほ、お前はどうする?」

 エセがこちらに視線を向ける。それに倣ってアツシくんとシュンくんもこちらを見る。

 美鈴は私の手を握り、黙り込んだ私を心配そうに見つめる。

「どうしよう、かな。」

 プロになると決意したあの気持ちに揺らぎはない。

 だけど、今はまだ追いかけ始めたばかりのこの夢をじっくり育てていきたいとも思っている。

 学内オーディションは年二回開催される。つまり計六回チャンスは訪れるのだ。

 今、受けなきゃいけない理由ってなんだろう?もっとじっくり作詞作曲や歌唱能力をつけてからでも遅くないのではないだろうか。

 この考えは甘いのだろうか。
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