一生ものの恋をあなたと
蓮のマンションは毎日通勤で通る公園の真裏にあった。
幼稚園まで徒歩2分の距離だ。

確かにここなら、蓮もHASEGAWA本社まで2駅なんだけど…。
これを偶然と言うには無理がある。
だって、蓮は私がここの幼稚園に勤めていることを知っていたんだから。




「自分自身に対する決意表明みたいなものだったんだ。」

「え?」

「絶対に愛を諦めないっていう…決意表明。
愛から離れなければ、いつか、あのまこちゃんから取り戻せるんじゃないかって。
…住み始めた当時は、まだ誠さんがお兄さんってこと知らなかったからな。」

「…蓮…。」

「それに、こんな風に、みんなに祝福されて、
とんとん拍子に話が進むなんて思いもしなかったんだ。
愛を取り戻しても、そこから一緒に住めるまで時間がかかるものだと思ってた。
少しでも職場に近ければ、一緒に住んでくれる日も早くなるんじゃないかと思って…。」

そんな風に考えてくれてたんだ…。

「蓮…
側でずっと想っていてくれたのに、気付かなくてごめんね?」

ビクッとする蓮。
…ん?  なんで?

「蓮?」

「あ、あぁ、何でもない。
俺が勝手にやってたことなんだから気にするな。
それより、愛の荷物、指示出さないといけないんじゃないか?」

「あ! ホントだ。
行ってくるね。」


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