一生ものの恋をあなたと
王子様の登場に、ピタリと泣き止んだ美央は、その後王子様に励まされて、『ちょうちょ』と『メリーさんの羊』を無事弾き終えた。
今思えば、幼いながらにも2人は、その時一目で恋に落ちていたのかもしれない。

私はその一部始終を、一回り歳の離れた兄に抱っこされながら見ていたのだ。

もちろん、そんな小さな時からお付き合いが始まったわけではない。
でも、斎くんの執着はすごかった!
それから、小学校に上がっても、美央のお世話係は誰にも譲らず。
世話を焼きまくって、周囲に自分の存在を知らしめし、美央が高校生になった途端に、お付き合い…と言うか、両親を巻き込み婚約まで持って行った。

まあ、なんというか、執着系なんだけど、本人達が納得しての執着なら、なにも問題はなく、むしろその溺愛ぶりは微笑ましく受け取られるものだ。
周囲の温かい見守りの中、順調に愛を育て、今日の日を迎えた。
この歳まで、浮いた話を提供することもなかった私には、大変羨ましい話である。


式が始まった。
お父さんに手を引かれてバージンロードをゆっくり進んでいく美央。
あー、ダメだ。
もう既に涙腺崩壊だわ。
私の美央がお嫁に行っちゃう!
幼馴染で大親友なの。
でも斎くんも、私にとっては大切な幼馴染。
優しいお兄さんだった。
斎くん、美央を宜しくお願いします。
2人共お幸せに!
幸せそうに見つめ合う2人に、心の中で、何度もお祝いの言葉を言った。
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