一生ものの恋をあなたと
神父が入場してきた。

いた!

神父の後ろをさっきの奴と歩いている。
思った通り、白い祭服を着ている。
髪型はさっきの乱れた様子と違い、
サイドをまとめて、長い髪を後ろに流していた。

俺は再び、雷に打たれた状態になった。
さっきは暗くてわからなかった彼女の横顔がハッキリ見えた。

美しい…。

派手な美しさではなく、凛とした、芯の強そうな目。白い頬は、走ってきた名残か、薄らと紅潮していて…。真っ直ぐ前を向いて歩いている。
ツンと尖った上唇が遠目にも目に付いた。

初めてだった。
たった一目で、俺は欲情していたんだ。

ミサという神聖な場で、アレはいわゆる巫女のようなものだろうか? それとも聖女⁇
とにかく、許されないことだ。

上の空でミサを過ごす。
もちろん、彼女しか見えていなかった。

どうしても彼女と話がしたくて、大聖堂の横で待つ。
裏口から出るか、正面から出るかわからなかったから、どちらの出入口も見える駐車場で、彼女を待った。
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