一生ものの恋をあなたと
帰国した俺は、成田に戻らず、関空に降りた。
愛に会いに行くためだ。

凍てつくような2月の空の下、愛の女子大の前に立ち、いつ出てくるかわからないのに、待ち続けた。
2時間が過ぎた頃だろうか…
時刻は16:30。
愛と友達らしい女が、出てきた。

半年ぶりに見る愛……
腰まであった長い髪が、肩より少し上くらいに切られ、波打っているように見えた。
髪の色も、明るくなっている。

正直、高校時代から横にいる友人がいなければ、見過ごしていたかもしれない。
それほど、愛の雰囲気は明らかに変わっていた。
大人っぽく、垢抜けて、さらに美しくなっていた。

声をかけようとしたその時、俺達の間に、一台の車が停まった。
白のメルセデスベンツ、GLEだ。
2人の男が降りてきた。
運転席の男が、真っ先に愛の友達の元へ行く。
あれが、親友の婚約者と言ってたヤツだろうと、察する。

今となっては、それが俺のボス、長谷川斎だったんだけど、その時はまだ面識もなく、ただのキラキラしたイケメンに見えた。

そして、もう1人の細くて背の高いノンフレームの眼鏡をかけた男が、愛に近づいていった。

誰だ⁉︎

洒落たコートを着ていて、キラキラ男に負けないイケメンだ。
< 62 / 207 >

この作品をシェア

pagetop