一生ものの恋をあなたと
受付で
蓮…大人っぽくなってた…。

黒いサラサラの前髪はきっちりと上げられ、秀でた額を出していた。
眼鏡のフレームも変わってた。
ブラックフォーマルが様になってたな。

「…い。愛。あーい!」

「え?…あ、ごめん、何⁉︎」

「そろそろ皆んな入ったみたいよ。
親族の方々も、席に着きだしてる。」

「あ…ホントだ…。
ちょっと、ボッとしてた。
片付けようか。」

「……愛、どうしたの?
なんかあった⁇」

え、私、そんなに変?

「ちょっと、顔が赤いね。
暑いのに、振袖だからかな。
二次会は軽〜いドレスだから、それが救いだわ。」

「ホント。
成人式の時は寒かったからねー。
振袖ってこんなに暑かったんだ〜。
暑さとチャペルの眩しさにやられたかも。
あ、喋ってる暇ないね。
御祝儀、渡す人…」

「里中家は、里中正弘様、新婦の叔父様にお渡しください。」

ドキッとした。
間近で聞こえる、蓮の声。

「あちらにおられます。」

示された先には、美央の叔父様が。
蓮の手には、“セキュリティー”と書かれた袋があった。
新郎側のご祝儀を受け取ったのだろう。

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