鬼畜御曹司の甘く淫らな執愛

 けれども、隼に感化されているらしい私がどれだけ隼のことを想っているかを言葉として紡ぎだすような余裕があったのも、これより僅か数分間のことだった。

 何故なら、私が放った言葉によって、どうやら隼の持っているアブノーマルな部分を刺激してしまったらしく、隼のそういうちょっとアブノーマルなスイッチが入ってしまったからだ。

 私の言葉を聞いた途端。ついさっきまであんなに苦し気に甘いマスクをぐにゃりと歪ませていた筈の隼の表情があのニヤリとした厭らしいモノへと豹変し。

 口角を片方だけ吊り上げて妖艶な微笑を浮かべた隼が、情欲を宿したような熱を孕んだ瞳で私のことを胸元から見上げつつ。

「僕が初めて本気で好きになった女性である侑李さんに、そこまで言ってもらえるなんて光栄です。今から、僕に何をされてもいいとおっしゃってくれた侑李さんのお望み通りにして差し上げます」

 なにやら含みを持たせたような口ぶりで、そう言ってきたかと思った時には、組み敷いた私の眼前まで迫ってきた隼によって、私の両手首にネクタイが巻き付けられてしまっていた。
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